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投資に関する個人的なメモ

2024年3月第4週の相場考察&レビュー(03/25-03/29)

ToC

先週の振り返りと今週の見通し

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スケジュール

25日
23:00 新築住宅販売戸数 (2月)
23:30 ダラス連銀製造業活動指数 (3月

26日
00:30 3ヶ月物短期米国債入札
00:30 6ヶ月物短期米国債入札
02:00 2年物中期米国債入札
22:00 S&P/ ケース・シラー住宅価格指数(20都市) (前年比) (1月)
23:00 消費者信頼感指数 (3月)
23:00 リッチモンド連銀製造業指数 (3月)

27日
01:30 Atlanta Fed GDPNow (Q1)
02:00 5年物中期米国債入札
05:30 米国石油協会 週間原油在庫
20:00 MBA 30年住宅ローン利率

28日
02:00 7年物中期米国債入札
07:00 FRBウォラー氏発言
21:30 国内総生産 (前期比) (Q4)
21:30 失業保険申請件数
22:45 シカゴ購買部協会景気指数 (3月)
23:00 ミシガン大学消費者信頼感指数 (3月)

29日

米休場
00:30 4週物短期米国債入札
00:30 8週物短期米国債入札
21:30 PCE

30日
00:30 FRBパウエル議長発言
01:30 Atlanta Fed GDPNow (Q1)

先週の入札は以下の様相、ビッドカバーレシオは2.51。

  • 03m $98.677972
  • 06m $98.276153
  • 01y $95.136556
  • 20y $99.444553
  • 1m $99.590111
  • 2m $99.180222
  • 10yTIPS $98.639866

週末まではFOMCのハト派発言おかげで下げていた金利だが、週明けからは金利が上昇気味になっており概ね入札どおりの動きとなっている。TIPSが弱いのは中立金利が上方修正されるのではという懸念の現れ?のように思う。

FOMCはハトで直後の動きとしては金利は横ばい気味だったものの株は大幅に反発し、為替はドル高に返り咲きとなった。当日は金利があまり動かなかったものの金曜にかけて遅れ気味に下落。同時に05yが4.2%を割ったことで株の安心材料になったようにみえた。

今週はPCEだが、Fedがどうも金利を下げる前提で進めているようなのでPCEが強くなく予想通りか弱ければリスク資産は一段上に上昇するとみている。逆に強ければ問題となるが、多少強いくらいではかすり傷だろう、緩和期待は強い。もし大幅に強くなれば話は別だがそれが起こる確率は最も低いだろう。指標前後で張るのはリスクヘッジが難しいので事前にポジションサイズを小さくするように配慮したい。

今週のアセット別について。

金利

入札で気になるのは5年7年だけ、とにかくPCEだろう。金利を下げQT減速にも言及しているが、データ次第であることに変わりはないので直後の動きは次のトレンドを作ると見ている。ポジションを減らしその後の動きについていくのがよさそうだ。PCEがもしわずかでも強く出た場合金利が急上昇する可能性がある。

長短金利差には大きな動きはなく長らくマイナス圏推移が続いている。マイナスの状態はしばらく続きそうだ。24年は借り換えや償還が行われていく年だが、地銀決算や報道などで具体的な材料が出ない限りは市場は無視を貫くだろう。最初に動くとすれば通常はHYGやBB債だが、今のところその兆候はない。

米株

ババ抜きの様相を呈しているように見受けられる。もしPCEを受け金利が上昇する場合、特にいまやや弱気で推移するダウには厳しい展開となるが、PCEが弱ければ金利は急低下し株高のトレンドがより一層強化されるだろう。PCEの結果次第では自然利子率に関する議論が再び出てくると思われ、超長期の動向にも注意したい。

ドルは先週104に返り咲いたものの週明けからの金利上昇で再び104割れに向けてうごいているようだ。PCEが強ければ再びドル高になるだろう。

4月半ばのタックスリターンに向け一旦利確が優勢になりそうだが、金利が4.5%にいくような事態になるなどがなければ、押し目待ちの買い下がりが強く出てレンジとなるだろう。

日本株・ドル円

PCEが強い場合は金利上昇で円安となりドル円153円は余裕で到達するだろう。その場合株にはプラスだが輸入・内需には厳しく、そうなるとトピが日経をビハインドしそうだ。

逆にPCEが弱ければ金利低下でドル円は下落だが、国内の積立投資や外国人の日本株買いなど円売り要素は多く、結局押し目を作って再びドル円上昇方向に舞い戻る、とみる。下がっても146円を割ることはなくその手前か先日の下落幅の半分(149.0円)くらいで反発するとみる。日本株買いに資金が集まりつつあるならば、日銀の緩和維持をあわせ、円売りは必然だろう。日本国民にとってはインフレで苦しいが…。

商品

原油がかなり不穏で$83,$84と上昇してしまいそうである。これが一時的なものでないなら物価上昇に弾みをつけてしまうことになり、かなり危うい。インドがロシアタンカーからの購入を停止し米国から輸入し、また中国がRussiaから輸入するという報道がみられるが、需給には大きな問題はないだろうと見ている。

中国の製造業や電力需要が回復していくかはわからないが、銅が反発したような気配を見せており鉄鉱石もこのまま下げ渋るならば、中国株の落ち着きとともに原油需要が回復していく可能性はある。供給面もあるが、今は需要が復活してくるかがキーと思われる。実需がそれほどでもないなら引き続き原油はレンジに追い込まれるだろう。

貴金属は上昇傾向だが金はここから上は前例のない価格帯に突入するため、テクニカルは効きづらくなる。そういう意味では銀の動きが一つの目安にもなるだろう。株が上昇するにも関わらずここまで貴金属が上昇するということは、熱心な買い需要あるとみるしかない。紙幣全体に対する不信感や株券をなるべく高値で売り抜けたいという意思が社会全体に広がっている。

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